法定後見(1)

1 後見に関する規定

第7条(後見開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

第859条  後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
2 第824条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。

第9条(成年被後見人の法律行為)
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

2 保佐に関する規定

第11条(保佐開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。

第13条(保佐人の同意を要する行為等)
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

第876条の4(保佐人に代理権を付与する旨の審判)
家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2 本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 家庭裁判所は、第一項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

3補助に関する規定

第15条(補助開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第七条又は第十一条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。

第876条の9(補助人に代理権を付与する旨の審判)
家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2 第八百七十六条の四第二項及び第三項の規定は、前項の審判について準用する。

第17条(補助人の同意を要する旨の審判等)
家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

4居住用財産の処分

(1)後見人の規定
第859条の3  成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
(2)保佐人の規定
   民法876条の5で後見の規定を準用
(3)補助人の規定
   民法876条の10で後見の規定を準用

5市町村長申立根拠条文

(1)老人福祉法第32条
市町村長は、65歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第7条(*後見開始の審判) 、第11条(*保佐開始の審判)、第13条第2項(*保佐人の同意を要する行為を追加する審判)、第15条第1項(*補助開始の審判)、第17条第1項(*補助人の同意を要する行為の審判)、第876条の4第1項(*保佐人への代理権付与の審判)又は第876条の9第1項(*補助人への代理権付与の審判)に規定する審判の請求をすることができる
(*)カッコ内は加筆したものであり実際の条文にはありません

(2)知的障害者福祉法第28条
市町村長は、知的障害者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第7条(*後見開始の審判) 、第11条(*保佐開始の審判)、第13条第2項(*保佐人の同意を要する行為を追加する審判)、第15条第1項(*補助開始の審判)、第17条第1項(*補助人の同意を要する行為の審判)、第876条の4第1項(*保佐人への代理権付与の審判)又は第876条の9第1項(*補助人への代理権付与の審判)に規定する審判の請求をすることができる
(*)カッコ内は加筆したものであり実際の条文にはありません

(3)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2  
市町村長は、精神障害者につき、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、民法第7条(*後見開始の審判) 、第11条(*保佐開始の審判)、第13条第2項(*保佐人の同意を要する行為を追加する審判)、第15条第1項(*補助開始の審判)、第17条第1項(*補助人の同意を要する行為の審判)、第876条の4第1項(*保佐人への代理権付与の審判)又は第876条の9第1項(*補助人への代理権付与の審判)に規定する審判の請求をすることができる。
(*)カッコ内は加筆したものであり実際の条文にはありません


法定後見(2)

 申立手続きについて

申立て:申立書を家庭裁判所からもらい、添付資料を揃えて提出します。
申立てができる人…本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長
添付資料…申立人の戸籍謄本、本人の戸籍謄本、住民票、登記事項証明書、診断書
     後見人候補者がいる場合は戸籍謄本・住民票
類型の選択…医師が作成した所定の診断書により判断

申立て先…本人の住所地の家庭裁判所
審判手続き:必要に応じ、面接や調査、鑑定が行われます。
審判:調査や鑑定の結果に基づき、成年後見人等が選任されます。
3 申立手数料について

収入印紙   申立て1件に付き800円
郵便切手   3400円 (大阪家庭裁判所の場合)
登記印紙代  4,000円
鑑定費用   5~10万円程度(後見、保佐の場合は原則として鑑定が行われます。)

8 選任の確定
即時抗告期間の満了によって確定
後見(保佐・補助)開始の審判に対する即時抗告

後見(保佐・補助)開始の審判の申立権者(市区町村長を除く)がすることができます。ただし、同意権付与の審判及び代理権付与の審判に対する即時抗告は、認められません

後見(保佐・補助)開始の審判の申立てを却下する審判に対する即時抗告

後見(保佐・補助)開始の審判の申立権者(市区町村長を除く)がすることができます。

即時抗告の期間告知の日から2週間。

<起算日>
後見開始の審判の即時抗告
 成年後見人に選任される者に告知があった日。
 複数の成年後見人が選任される場合は、告知の日が最も遅い日。
保佐及び補助開始の審判の即時抗告
  『本人』に告知があった日及び保佐人もしくは補助人に選任にされる者に告知があった日の最も遅い日から進行します。
即時抗告期間の経過を持って審判が確定