10月2016

相続登記の重要性(1)

相続問題を受任後
 司法書士は戸籍調査を通じていろいろな情報を確認します。
法定相続関係の特定、とくに養子、認知した子がいないか、離婚した妻との間に子供がいないか等を確認していきます。
そして、相続人全員を確定して、相続人間で話し合ってもらって、相続人の皆さんの意向を聞いて、遺産分割協議書という書類に具体化していいきます。それで、相続登記を申請することになります。
 今までは、司法書士自身相続登記の重要性についてその真実を語ることをためらっていたのではないかと思います。業界エゴになるのではとね。
 しかし、最近になって、相続登記の未老不動産が様々な弊害となって、表面化してきたのです。
 
 子供のいない兄弟相続、原野商法にひかかったことを隠そうとした親、遠隔地の管理できない承継不動産などなど、原因は様々です。
 近年空き家問題とともに、相続登記未了不動産が震災復興の妨げになっていることがクローズアップされ、相続登記の重要性が色濃く認識されるようになりました。
 今後の日本の人口減少問題とリンクし、深刻な問題となています
 


成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律

  本年4月に成立した「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が10月13日に施行されました。
 主に、成年被後見人宛の郵便物を後見人に裁判所の審判を経て転送できるようになること、一定の死後事務ができるようになること、この2点が改正点です。
 誤解されがちですが、いずれの規定も、成年後見人の権限を拡大したものであり、義務を定めたものではないといことです。
成年後見人に対する郵送の嘱託は、被後見人の財産調査(株式、投資信託、外貨預金等)をする上では、有用な制度ですが、憲法21条2項で通信の秘密の規定を踏まえ、その運用には十分な注が必要です。本人の情報が十分に把握できているケースの場合は、当該嘱託は不要であると考えられます。また一定の死後事務についても、成年後見人の権限の範囲内であることが、民法上明記されました。
 

以下条文

 (成年後見人による郵便物等の管理)
 第八百六十条の二 家庭裁判所は、成年後見人がその事務を行うに当たって必要があると認めるときは、成年後見人の請求により、信書の送達の事業を行う者に対し、期間を定めて、成年被後見人に宛てた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条において「郵便物等」という。)を成年後見人に配達すべき旨を嘱託することができる。
 2 前項に規定する嘱託の期間は、六箇月を超えることができない。
 3 家庭裁判所は、第一項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人の請求により又は職権で、同項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。ただし、その変更の審判においては、同項の規定による審判において定められた期間を伸長することができない。
 4 成年後見人の任務が終了したときは、家庭裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。
 第八百六十条の三 成年後見人は、成年被後見人に宛てた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
 2 成年後見人は、その受け取った前項の郵便物等で成年後見人の事務に関しないものは、速やかに成年被後見人に交付しなければならない。
 3 成年被後見人は、成年後見人に対し、成年後見人が受け取った第一項の郵便物等(前項の規定により成年被後見人に交付されたものを除く。)の閲覧を求めることができる。
 
  (成年被後見人の死亡後の成年後見人の権限)
 第八百七十三条の二 成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、次に掲げる行為をすることができる。ただし、第三号に掲げる行為をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
  一 相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
  二 相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る。)の弁済
  三 その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(前二号に掲げる行為を除く。)

法務省の解説はこちら
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00196.html


新しい後見の姿

①専門職後見人の育成
 私たちは司法書士という職業で、家庭裁判所をはじめ社会の中では専門職後見人という評価を得ています。しかしながら、司法書士という資格だけでは、専門職後見人と資質はそなわっていないという、高見さんの意見はその通りだと思います。ですので、司法書士会では、成年後見センター・リーガルサポートという別法人を平成11年に設立し、成年後見の職務に必要な知識の習得を目的として、一定単位の研修受講を義務付けています。その内容も法律だけではなく、認知症や、精神障がい者の方がに対する理解、社会保障や、支援する方々等の役割等についても知識を深めており、更に倫理感の醸成にも努めています。また、リーガルサポートに対して後見業務に関する報告をコンピュータシステムを使用して提出を義務づけ、不正の対策防止を行っています。
②利用率の向上 冒頭のあいさつでも申しましたが、やはり、成年後見制度はまだまだ、普及しておらず、一般の方から見れば、利用しにくいイメージがあるのだと思います。現在の成年後見制度は確かに硬直的な部分が多々あり、実際使いづらい面もあるのは確かです。一度成年後見が開始すると、実際には本人が亡くなるまで、後見が終了することは原則とありません。人生の一場面でのスポット的な利用法等柔軟な制度へ改革していく必要があるのでないかと感じています。
今年4月には成年後見制度利用促進法が成立し5月には施行されています。今後は政府、専門職団体主導のもと、制度そのものが改革されいくことになっています。それに期待したいと思います。
 
③市民後見人の育成
市民後見人についても成年後見制度利用促進法にその育成の促進が規定されています。
市民後見人の位置付けをはっきりさせておきたいと思います。専門職後見人後見人でもなく、親族後見人でもない後見人です。地域社会の中で社会貢献として活躍している後見人です。活躍している市民後見人は、専門職後見人である司法書士や弁護士、社会福祉士の支援を受けて活躍しています。  
定期的に市民後見人と被後見人が住んでいる地元の市役所で、司法書士などの専門職後見人が市民後見人の相談を受けて、週に1回程度、被後見人ものとを訪問して、寄り添う形で後見業務を行っています。
 大阪では特に大阪市が日本全体の中でも、先進的に市民後見人の育成に取り組んできました。
 大阪市では平成20年1月、つまり今から8年半前に市民後見人第1号が選任されました。現在までに大阪府内で160名以上の方が活躍しておられます。
 


JR東海事故714条最判振り返り:監督責任(2)

一審の名古屋地裁判決、二審の名古屋高裁の控訴審判決にしても、成年後見は当然のように、民法714条の法定監督義務と認定されていましたので、そこが、専門職後見人と位置付けされている司法書士として、まずいところだと思ってました。平成11年12月に改正民法が成立して現行の成年制度に改められました。それまでは民法858条旧規定では
「禁治産者の後見人は、禁治産者の資力に応じて、その療養看護に努めなければならない。」とされていました。これを後見人の療養看護しなければならない義務と考えられていました。
改正後は、「成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。」という規定に変わっています。成年後見人は被後見人の生活全般に配慮しなさいという規定になっていて改正された時点で、成年後見人は完全に法定監督義務から解放されたはずだと思っていましたので、最高裁判決で成年後見人は法定監督義務者ではないという認定がされてやっとまともな結論になって胸をなでおろしました。
 
 また、一審二審とも家族、身内の責任を認めていました。特に二審の控訴審では民法752条の夫婦間の同居と相互の扶養の義務から、第三者に対して配偶者の加害行為について責任を認定したのですが、民法752条は夫婦間の同居と相互の扶養の義務を定めたもので、第三者に対する何らかの責任を定めたものではありません。ですから平成26年4月の名古屋高裁判決はこの相互の扶養義務から、無理やり監督責任をひねり出した感じで、違和感は拭えませんでした。そこは今年3月の最高裁判決でははっきりと否定されて、夫婦や親族というだけでは、法定監督義務者には当たらないという妥当なところに行き着いたと思います。


平成28年3月1日最高裁判決(大府市JR事故)の備忘録

 
709条と714条の特徴
(不法行為による損害賠償)
第七〇九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

責任無能力者の監督義務者等の責任)
第七一四条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

709条の不法行為責任について
 ある行為について予見義務があり、予見可能性があった場合に、結果回避義務を尽くさず、行為と損害の結果に因果関係があれば、損害賠償責任を負う。立証責任は、損害賠償を請求する側が全て負う。
①予見義務があり、
②予見可能性が認められ
③結果回避義務を怠ったこと
④相当因果関係
714条の法定監督義務者の責任(第1項)代理監督義務者の責任(第2項)
714条は、ほぼ無過失責任立証責任は監督義務者。名古屋高裁の本事件についての714条の性質について以下のように述べています。
「代償又は補充として,責任無能力者の監督義務者等に同損害に対する賠償責任を認めることで,被害者の保護及び救済を図ろうとするものであり,監督義務者等に監督上の過失があることをもって,監督義務者等に対する責任無能力者の加 害行為によって生じた損害の賠償責任の根拠とする点において過失責任主義の原理になお依拠しているものの,監督義務上の過失の不存在等の免責要件の存在の立証責任を監督義務者等に負担させるとともに,監督義務者 等の監督上の過失について,責任無能力者の加害行為そのものに対する過 失(責任無能力者のした具体的な加害行為を予見しこれを回避すべき義務としての直接的過失)ではなく,責任無能力者の生活全般に対する一般的 な監督義務上の過失(責任無能力者のした具体的な加害行為との関係では 間接的過失)で足りるものとする点で,無過失責任主義的な側面を強く有 する規定であり,その機能を実質的に観察するときには,監督義務者等に 対し,責任無能力者の加害行為によって生じた損害について責任無能力者に代わって賠償責任を負わせる面(代位責任的な面)のある規定であることも否定できない」
本件の前提事実

A :本人
Y1:本人Aの唯一の同居の親族の妻
Y2:本人の長男
B :Y2の妻
C 本人Aの妻Y2の妹 
平成14年3月の家族会議1
Y1平成14年8月22日要介護認定1
Aは34年に農協をやめてそれ以後不動産仲介業
被告三江は平成11年にヘルパー取得実家から10分介護施設勤務
Aは12年2月(84歳)ごろから認知症状
昭和57年から夫婦2人生活
60年にわたって同居していた妻に709条
B平成15年ヘルパー資格取得
C平成16年介護福祉士取得
本人妻Y1平成18年1月「要介護1」
平成19年2月に要介護2から4へ変更 
家族会議Ⅱで、本人妻Y1とBが介護することにした。
平成17年8月と平成18年12月の2回の徘徊で玄関付近にセンサー取り付け、Y1の枕元にチャイム
昼間は施錠、門扉に波板 かえって危険で、シャッターはやめたが、夜間はシャッター、施錠 昼間はセンサーは切っていた
平成19年2月23日Aは介護認定 要介護4
平成19年2月の家族会議2で、介護4の認定から特養検討、
Cの助言で自宅介護の選択
ヘルパーの契約もしなかったが、デイサービスには週6回
平成19年12月7日、事故当日、Bは午前7時にA宅に出向く
事故当日午後4時にデイサービスからA帰宅、自宅事務所で本人、B、本人妻Y1と3人でくつろいでいた。
Bが排尿したダンボールを片付けに目を離し、5時に戻ると本人妻Y1は居眠りし、Aはいなくなっていた。
Aは自宅近くのJR大府駅の改札を抜け、一駅先の共和駅まで列車に乗って移動。駅のプラットホーム端にある階段から線路に下りたとみられ、列車にはねられた。階段前には柵があったが、鍵のかかっていない扉から線路内に下りることができた。

平成20年10月2日遺産分割協議 金融資産だけで5000万円超過
本人妻Y1は不動産
Y2は主として不動産
Cは金融資産と不動産

平成22年2月 JR東海が遺族に損害賠償を求めて提訴
平成25年年8月 名古屋地裁が長男と男性の妻に、約720万円の支払いを命じる判決
平成26年4月 名古屋高裁が妻のみに約360万円の支払いを命じる判決
1審
家族会議2は本人妻Y1は参加していないと裁判所は認定
太郎の証人尋問で家族会議1と2でCの意見を尊重しつつ主導して介護方針を決定
上段家族内で家族会議を主催したからと言って何故第三者への法的義務が生じ714条の1項の法定監督義務者
立証責任の転嫁監督義務を尽くしたことを立証しない限り免責されない
介護、要するに責任無能力者たる認知症高齢者の介護をしていたからといって、事実上の監督者責任を負うというのはおかしい
Y1本人の唯一の同居の親族の妻
介護者であることから監護義務を認定
本人妻Y1に期待されていた役割 目を離さない義務

(同居、協力及び扶助の義務)
第752条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
この規定は第四編「親族」の第二章「婚姻」の第2節「婚姻の効力」の中の規定

名古屋高裁は、この条文から以下のように監督義務を認定しました。(実際の認定ではこの条文+精神保健福祉法の保護者)
「配偶者の一方(夫又は妻)が老齢,疾病又は精神疾 患により自立した生活を送ることができなくなったなとどの場合には, 他方配偶者(妻又は夫)は,上記協力扶助義務として,他の配偶者 (夫又は妻)に対し,上記の趣旨において,その生活全般に対して配 慮し,介護し監督する身上監護の義務を負うに至るものというべきであり,婚姻関係にある配偶者間の信義則上又は条理上の義務としても, そのように解される」

最高裁は上記名古屋高裁の方解釈について以下のように否定しました。
「イ 民法752条は,夫婦の同居,協力及び扶助の義務について規定している が,これらは夫婦間において相互に相手方に対して負う義務であって,第三者との 関係で夫婦の一方に何らかの作為義務を課するものではなく,しかも,同居の義務についてはその性質上履行を強制することができないものであり,協力の義務についてはそれ自体抽象的なものである。また,扶助の義務はこれを相手方の生活を自分自身の生活として保障する義務であると解したとしても,そのことから直ちに第 三者との関係で相手方を監督する義務を基礎付けることはできない。そうすると, 同条の規定をもって同法714条1項にいう責任無能力者を監督する義務を定めたものということはできず,他に夫婦の一方が相手方の法定の監督義務者であるとす る実定法上の根拠は見当たらない。
したがって,精神障害者と同居する配偶者であるからといって,その者が民法714条1項にいう「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」に当たるとすることはできないというべきである。」

民法714条はほぼ無過失責任に近い
本件名古屋高裁の引用
「当該責任無能力者を監督する法定 の義務を負う者(以下「監督義務者」という。)又は監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者(以下「代理監督義務者」といい,監督義務 者と併せて「監督義務者等」という。)は,監督義務を怠らなかったとき,又は監督義務を怠らなくても損害か生ずべきてあったときであること(以 下「免責事由」という。)を立証しない限り,上記損害について賠償責任を負うものとしている(同法714条1項,2項)」

②成年後見人は法定監督義務者ではない認定がなされた。平成11年の精神保健福祉法と民法の改正との関連
名古屋高裁は以下
(2) 控訴人Aの監督義務者等該当性
「ア 民法714条1項にいう監督義務者としては,一般に,未成年者である責任無能力者に対する親権者,精神上の障害による責任無能力者に対する成年後見人又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(平成19年1 2月7日当時有効なもの。以下,これを「精神保健福祉法」という。)2 0条に基づく保護者が挙げられるところである」と説示しています。
つまり親権者は異論のないところですが、
①事故当時の精神保健福祉法の旧20条の保護者
②成年後見人
は法定監督義務者と当然のように定義しているのが非常に問題でした。専門職後見人は、親族ではないので、四六時中本人を監視することもできないのに、ほとんど無過失責任の714条の監督責任を負わないといけないことになります。
最高裁判所はこの点について上記の名古屋高裁の判断を破棄し、成年後見人と精神保健福祉法の保護者が714条法定監督義務者には該当しないとしました。
(1)ア 民法714条1項の規定は,責任無能力者が他人に損害を加えた場合に -7-
はその責任無能力者を監督する法定の義務を負う者が損害賠償責任を負うべきもの としているところ,このうち精神上の障害による責任無能力者について監督義務が 法定されていたものとしては,平成11年法律第65号による改正前の精神保健及 び精神障害者福祉に関する法律22条1項により精神障害者に対する自傷他害防止 監督義務が定められていた保護者や,平成11年法律第149号による改正前の民 法858条1項により禁治産者に対する療養看護義務が定められていた後見人が挙 げられる。しかし,保護者の精神障害者に対する自傷他害防止監督義務は,上記平 成11年法律第65号により廃止された(なお,保護者制度そのものが平成25年 法律第47号により廃止された。)。また,後見人の禁治産者に対する療養看護義 務は,上記平成11年法律第149号による改正後の民法858条において成年後 見人がその事務を行うに当たっては成年被後見人の心身の状態及び生活の状況に配 慮しなければならない旨のいわゆる身上配慮義務に改められた。この身上配慮義務 は,成年後見人の権限等に照らすと,成年後見人が契約等の法律行為を行う際に成 年被後見人の身上について配慮すべきことを求めるものてあって,成年後見人に対 し事実行為として成年被後見人の現実の介護を行うことや成年被後見人の行動を監 督することを求めるものと解することはてきない。そうすると,平成19年当時に おいて,保護者や成年後見人てあることたけては直ちに法定の監督義務者に該当す るということはできない。

関係法令
第858条
第1項 禁治産者の後見人は、禁治産者の資力に応じて、その療養看護に努めなければならない。
第2項 禁治産者を精神病院その他これに準ずる施設に入れるには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
明治33年精神病者監護法
監督義務者に由来
昭和25年 精神衛生法
保護者制度の創設
平成11年精神保健福祉法の改正
保護監督義務 自傷他害の防止義務の廃止
平成26年4月以降の精神保健福祉法
現行法33条 医療保護入院
 41条 退院時の引取義務

精神保健福祉法
(平成11年改正前)
第22条 保護者は、精神障害者に治療を受けさせるとともに、精神障害者が自身を傷つけ又は他人に害を及ぼさないように監督し、かつ、精神障害者の財産上の利益を保護しなければならない。
2 保護者は、精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力しなければならない。
3 保護者は、精神障害者に医療を受けさせるに当たっては、医師の指示に従わなければならない。

(平成11年改正後平成26年3月まで)
第22条  保護者は、精神障害者(第二十二条の四第二項に規定する任意入院者及び病院又は診療所に入院しないで行われる精神障害の医療を継続して受けている者を除く。以下この項及び第三項において同じ。)に治療を受けさせ、及び精神障害者の財産上の利益を保護しなければならない。
2  保護者は、精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力しなければならない。
3  保護者は、精神障害者に医療を受けさせるに当たつては、医師の指示に従わなければならない。

(保護者)
第20条  精神障害者については、その後見人又は保佐人、配偶者、親権を行う者及び扶養義務者が保護者となる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は保護者とならない。
一  行方の知れない者
二  当該精神障害者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
三  家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
四  破産者
五  成年被後見人又は被保佐人
六  未成年者
2  保護者が数人ある場合において、その義務を行うべき順位は、次のとおりとする。ただし、本人の保護のため特に必要があると認める場合には、後見人又は保佐人以外の者について家庭裁判所は利害関係人の申立てによりその順位を変更することができる。
一  後見人又は保佐人
二  配偶者
三  親権を行う者
四  前二号の者以外の扶養義務者のうちから家庭裁判所が選任した者

(医療保護入院)
第33条  精神科病院の管理者は、次に掲げる者について、保護者の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を入院させることができる。
一  指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のため入院の必要がある者であつて当該精神障害のために第二十二条の三の規定による入院が行われる状態にないと判定されたもの
二  第三十四条第一項の規定により移送された者

(保護者の引取義務等)
第41条  保護者は、第二十九条の三若しくは第二十九条の四第一項の規定により退院する者又は前条の規定により仮退院する者を引き取り、かつ、仮退院した者の保護に当たっては当該精神科病院又は指定病院の管理者の指示に従わなければならない。
平成26年4月施行
第20条の廃止
第33条  精神科病院の管理者は、次に掲げる者について、その家族等のうちいずれかの者の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を入院させることができる。
1  指定医による診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のため入院の必要がある者であつて当該精神障害のために第二十条の規定による入院が行われる状態にないと判定されたもの
2  前項の「家族等」とは、当該精神障害者の配偶者、親権を行う者、扶養義務者及び後見人又は保佐人をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者を除く。
一  行方の知れない者
二  当該精神障害者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系 
血族
三  家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
四  成年被後見人又は被保佐人
五  未成年者
3  精神科病院の管理者は、第一項第一号に掲げる者について、その家族等(前項に規定する家族等をいう。以下同じ。)がない場合又はその家族等の全員がその意思を表示することができない場合において、その者の居住地(居住地がないか、又は明らかでないときは、その者の現在地。第四十五条第一項を除き、以下同じ。)を管轄する市町村長(特別区の長を含む。以下同じ。)の同意があるときは、本人の同意がなくてもその者を入院させることができる。第三十四条第二項の規定により移送された者について、その者の居住地を管轄する市町村長の同意があるときも、同様とする。