成年後見人と民法714条法監督義務者責任(1)

 平成16年2月25日の放課後,本件校庭において,友人らと共にサッカーボールを用いてフリーキックの練習をしていた
11歳の少年のけったボールが、バイクを運転していた80歳代の男性の前に転がってきて、避けようとした男性が転倒し、約1年半後に死亡したという 愛媛県今治市で起きた事案です。まずこの事件いついては、民法の条文の基本的理解が不可欠です。

——-以下民法条文——–
(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
——-略——–

(責任能力)
第712条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

第713条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。

(責任無能力者の監督義務者等の責任)
第714条 前2条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。
——-ここまで民法条文——–
不法行為責任を定めた条文は709条です。その不行為の加害者に責任能力がない場合(未成年者は712条、精神に障害がある場合は713条)は、714条で法定監督義務者が責任を負うことと、されています。
 (続く)


成年後見と障害者権利条約

気がつけば、1年以上も更新をっサボっていました。
今年1年間で一回も更新をしないと言うのは、非常にまずいと思い、更新させていただきます。
 言い訳になりますが、リーガルサポートの大役を引き受けたことあって、
1日に重複する会議、研修講師、執筆依頼などをこなしていると、つい更新をサボってまいりました。
 本当は本年2月19日に発効した時点で、意見を述べたかったのですが、立場上本音で全てを語ることも難しく、今まで悶々としていました。今も呪縛から開放されたわけではなく、事情は変わらないのですが、差し障り無い範囲で述べてみようと思います。

障害者権利条約12条は以下のとおり規定しています
「第十二条 法律の前にひとしく認められる権利
1.締約国は、障害者がすべての場所において法律の前に人として認められる権利を有することを再確認する。
2.締約国は、障害者が生活のあらゆる側面において他の者と平等に法的能力を享有することを認める。
3.締約国は、障害者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用することができるようにするための適当な措置をとる。
4.締約国は、法的能力の行使に関連するすべての措置において、濫用を防止するための適当かつ効果的な保護を国際人権法に従って定めることを確保する。当該保護は、法的能力の行使に関連する措置が、障害者の権利、意思及び選好を尊重すること、利益相反を生じさせず、及び不当な影響を及ぼさないこと、障害者の状況に応じ、かつ、適合すること、可能な限り短い期間に適用すること並びに権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関による定期的な審査の対象とすることを確保するものとする。当該保護は、当該措置が障害者の権利及び利益に及ぼす影響の程度に応じたものとする。
5.締約国は、この条の規定に従うことを条件として、障害者が財産を所有し、又は相続し、自己の会計を管理し、及び銀行貸付け、抵当その他の形態の金融上の信用について均等な機会を有することについての平等の権利を確保するためのすべての適当かつ効果的な措置をとるものとし、障害者がその財産を恣意的に奪われないことを確保する」
 皆さんいかがでしょう、
この12条を踏まえ
一般的意見第1号(2014年)
2014年4月11日採択、2014年5月19日版
で障害権利委員会意見表明がなされてます。
Ⅰ.序論

1.法律の前における平等は、人権保護の基本的な一般原則であり、他の人権の行使に不可欠である。世界人権宣言と市民的及び政治的権利に関する国際規約では、法律の前における平等の権利を特に保障している。障害者権利条約第12条では、この市民的権利の内容をさらに詳しく説明し、障害のある人が、従来権利を否定されてきた分野に焦点を合わせている。第12条では、障害のある人の権利を新たに付け加えることはせず、障害のある人の法律の前における平等の権利を、他の者との平等を基礎として確保するために、締約国が考慮しなければならない具体的な要素について、説明しているにすぎない。

2.本条文の重要性を考慮し、委員会は、法的能力に関する議論のための対話型フォーラムを進めてきた。専門家、締約国、障害者団体、非政府機関、条約監視団体、国内人権機関及び国際連合機関による第12条の規定に関する極めて有益な意見交換から、委員会は、一般的意見においてさらなる指針を示すことが急務であると考えた。

3.これまで再検討されてきた、さまざまな締約国からの最初の報告に基づき、委員会は、条約第12条の下での締約国の義務の正確な範囲について、一般に誤解があることを認める。実際のところ、人権に基づく障害モデルが、代理人による意思決定のパラダイムから、支援付き意思決定に基づくパラダイムへの移行を意味するということは、これまで一般に理解されてこなかった。この一般的意見の目的は、第12条のさまざまな構成要素に由来する一般的義務を検討することである。

4.この一般的意見は、第3条に概略が述べられている条約の一般原則、すなわち、固有の尊厳、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び人の自立に対する尊重、非差別、社会への完全かつ効果的な参加及びインクルージョン、差異の尊重、人間の多様性の一環及び人類の一員としての障害のある人の受容、機会の均等、アクセシビリティ、男女の平等、障害のある子どもの発達しつつある能力の尊重、そして、障害のある子どもがそのアイデンティティを保持する権利の尊重を前提とした、第12条の解釈を反映している。

5.世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約、障害者権利条約は、それぞれ、法律の前における平等な承認の権利は、「すべての場所において」有効であると明記している。つまり、国際人権法の下では、人が法律の前に人として認められる権利を剥奪されること、あるいは、この権利が制限されることは、いかなる状況においても許されない。これは、たとえ公の緊急事態であっても、この権利のいかなる適用除外も許されないと規定している、市民的及び政治的権利に関する国際規約第4条第2項によって強化される。これと同等な、法律の前における平等な承認の権利の適用除外に関する禁止条項は、障害者権利条約には明記されていないが、障害者権利条約の規定は既存の国際法から逸脱するものではないと定めている同条約第4条第4項に基づき、国際規約の規定により、この権利は保護される。

6.法律の前における平等の権利は、また、他の中核となる国際人権条約及び地域人権条約にも反映されている。女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約第15条では、法律の前における女性の平等を保障し、男性との平等を基礎として、契約の締結、財産の管理及び司法制度における権利の行使に関して、女性の法的能力を認めることを義務付けている。人及び人民の権利に関するアフリカ憲章第3条では、法律の前におけるあらゆる人の平等の権利と、法律による平等な保護を享有する権利を規定している。米州人権条約第3条では、法的人格を認められる権利と、誰もが法律の前に人として認められる権利を、正式に定めている。

7.締約国は、障害のある人の法的能力の権利が、他の者との不平等に基づき制限されることのないよう、法律のあらゆる領域を総合的に検討しなければならない。歴史的に見て、障害のある人は、後見人制度や強制治療を認める精神保健法などの代理人による意思決定制度の下で、多くの領域において差別的な方法で、法的能力の権利を否定されてきた。障害のある人が、他の者との平等を基礎として、完全な法的能力を回復することを確保するためには、これらの慣行は廃止されなければならない。

8.条約第12条は、障害のあるすべての人が、完全な法的能力を有することを認めている。歴史を通じて、女性(特に結婚時)や少数民族をはじめとする多くの集団が、偏見を理由にその法的能力を否定されてきた。しかし、障害のある人は、依然として、世界各地の法制度において、最も頻繁にその法的能力を否定されている集団なのである。法律の前における平等な承認の権利とは、法的能力が、すべての人の人間性に基づく固有の普遍的な属性であり、障害のある人にも、他の者との平等を基礎として常に認められなければならないことを意味する。法的能力は、市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的権利の行使に欠かせない。それは、障害のある人が自分自身の健康、教育及び仕事に関する基本的な決定を下さなければならないときに、特に重要となる。(障害のある人々の法的能力の否定は、多くの場合、投票する権利、婚姻をし、家族を形成する権利、性と生殖の権利、親の権利、親密な関係と医学的治療に関して同意する権利、自由の権利など、多数の基本的権利の剥奪をもたらしてきた。)

9.身体障害、精神障害、知的障害又は感覚機能障害などの障害のある人は皆、法的能力の否定と、代理人による意思決定による影響を受ける可能性がある。しかし、認知障害や心理社会的障害のある人は、これまでも、また今もなお、代理人による意思決定制度と法的能力の否定による影響を過度に受けている。委員会は、障害のある者としての地位や、(身体機能障害又は感覚機能障害を含む)機能障害の存在が、決して、第12条に規定されている法的能力や権利を否定する理由となってはならないことを再確認する。目的又は効果において第12条を侵害するすべての慣行は、障害のある人が他の者との平等を基礎として完全な法的能力を確実に回復できるように、廃止されなければならない。

10.この一般的意見は、おもに第12条の規範的内容と、新たに発生する締約国の義務に焦点を合わせている。委員会は、今後の総括所見、一般的意見及びその他の公文書と併せて、引き続き、この分野における活動に取り組み、第12条に定められた権利と義務のさらに詳細な説明(guidance)を提供していく。

Ⅱ.第12条の規範的内容

第12条第1項

11.第12条第1項では、障害のある人が、法律の前に人として認められる権利を有することを再確認している。これは、あらゆる人間が、法的人格を所有する人として尊重されることを保障するものである。これは人の法的能力の承認のための前提条件である。

第12条第2項

12.第12条第2項は、障害のある人が、生活のあらゆる側面において、他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認めている。法的能力には、権利所有者になる能力と、法律の下での行為者になる能力の両方が含まれる。権利所有者になる法的能力により、障害のある人は、その権利を法制度によって完全に保護される資格を得る。法律の下での行為者になる能力により、人は、取引に携わり、法的な関係全般を構築し、修整し、あるいは終結させる権限を伴う主体として認められる。法的主体として認められる権利は、条約第12条第5項で規定されており、そこでは締約国の義務について、「財産の所有又は相続についての、自己の財務管理についての並びに銀行貸付、抵当その他の形態の金融上の信用への平等なアクセスについての障害のある人の平等な権利を確保するためのすべての適切かつ効果的な措置をとる。締約国は、また、障害のある人がその財産を恣意的に奪われないことを確保する」と、概説している。

13.法的能力と意思決定能力とは、異なる概念である。法的能力は、権利と義務を所有し(法的地位)、これらの権利と義務を行使する(法的主体性)能力である。それは社会への有意義な参加のための重要な鍵となる。意思決定能力とは、個人の意思決定スキルを言い、当然、人によって異なり、同じ人でも、環境要因及び社会的要因など、多くの要因によって変化する可能性がある。これまで、世界人権宣言(UDHR)(第6条)、市民的及び政治的権利に関する国際規約(ICCPR)(第16条)及び女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)(第15条)などの法律文書において、意思決定能力と法的能力は明確に区別されてこなかった。現在、障害者権利条約(第12条)は、「精神の異常」とその他の差別的レッテルが、法的能力(法的地位と法的主体性)の否定の合法的な理由にはならないことを明確に謳っている。条約第12条の下では、認識された、あるいは実際の意思決定能力の不足が、法的能力の否定を正当化するものとして利用されてはならない。

14.法的能力は、障害のある人を含むすべての人に与えられる固有の権利である。指摘されたように、これは二つの要素から成る。第一の要素は、権利を有し、法律の前に法的人格として認められる法的地位である。これには、たとえば、出生証明書を得ること、医療扶助を求めること、選挙人名簿に登録することと、パスポートを申請することが含められる。第二の要素は、これらの権利に基づいて行動し、それらの行動を法律で認めてもらう法的主体性である。障害のある人が、しばしば否定され、あるいは制限されるのは、この要素である。たとえば、障害のある人の財産の所有は法律で認められているが、その売買に関する行動は必ずしも尊重されていない。法的能力とは、障害のある人を含むすべての人が、単に人間であるという理由に基づき、法的地位と法的主体性を有することを意味する。それゆえ、法的能力に関するこれらの要素はともに、障害のある人が実現すべき法的能力の権利として認められなければならない。これらは分けることはできないのである。
 意思決定能力という概念は、それ自体、極めて議論の余地がある。それは、一般的に示されるような客観的、科学的及び自然発生的な現象ではない。意思決定能力は、意思決定能力の評価において支配的な役割を果たす領域、専門職、慣行がそうであるように、社会的及び政治的文脈に左右される。

15.これまで委員会が審査してきた締約国の報告の大半において、意思決定能力と法的能力の概念は同一視され、多くの場合、認知障害又は心理社会的障害により意思決定スキルが低下していると見なされた者は、結果的に、特定の決定を下す法的能力を排除されている。これは単純に、機能障害という診断に基づいて(状況に基づくアプローチ)、あるいは、否定的な結果をもたらすと考えられる決定を本人が行っている場合(結果に基づくアプローチ)、もしくは、本人の意思決定スキルが不足していると見なされる場合(機能に基づくアプローチ)に決定される。機能に基づくアプローチでは、意思決定能力の評価と、その結果としての法的能力の否定が試みられる。ある決定の性質と結果を理解できるかどうか、及び/又は関連情報を利用したり、比較検討したりできるかどうかによって決まることが多い。機能に基づくこのアプローチは、二つの重要な理由から誤っている。(a)それは障害のある人に対して差別的な方法で適用されている。(b)それは人間の内なる心の動きを正確に評価できるということと、その評価に合格しない場合、法の前における平等な承認の権利という、中核となる人権を否定できるということを前提としている。これらのアプローチのすべてにおいて、障害及び/又は意思決定スキルが、個人の法的能力を否定し、法律の前における人としての地位を下げる合法的な理由と見なされている。第12条は、法的能力に対するそのような差別的な否定を許容するものではなく、むしろ、法的能力の行使における支援の提供を義務付けるものである。

第12条第3項

16.第12条第3項では、障害のある人がその法的能力の行使に当たり必要とする支援にアクセスすることができるようにする義務を、締約国が有すると認めている。締約国は、障害のある人の法的能力を否定することを避けなければならず、むしろ、障害のある人が法的効力のある決定を下せるようになるために必要と考えられる支援へのアクセスを提供しなければならない。

17.法的能力の行使における支援では、障害のある人の権利、意思及び選好を尊重し、決して代理人による意思決定を行うことになってはならない。第12条第3項は、どのような形式の支援を行うべきかについては具体的に定めていない。「支援」とは、さまざまな種類と程度の非公式な支援と公式な支援の両方の取り決めを包含する、広義の言葉である。たとえば、障害のある人は、1人又はそれ以上の信頼のおける支援者を選び、特定の種類の意志決定にかかわる法的能力の行使を援助してもらうことや、ピアサポート、(当事者活動の支援を含む)権利擁護、あるいはコミュニケーション支援など、その他の形態の支援を求めることができる。障害のある人の法的能力の行使における支援には、例えば、銀行及び金融機関などの官民のアクターに対し、障害のある人が銀行口座の開設や、契約の締結、あるいはその他の社会的取引の実行に必要な法的行為を遂行できるように、理解しやすいフォーマットでの提供や専門の手話通訳者の提供を義務付けるなど、ユニバーサルデザインとアクセシビリティに関する措置も含まれる場合がある。また、特に意思と選考を表明するために非言語型コミュニケーション形式を使用している者にとっては、従来にない多様なコミュニケーション方法の開発と承認も支援となり得る。障害のある多くの人にとって、事前計画が可能であるということは、支援の重要な一形態であり、これにより自らの意思と選好を示すことができ、他者に希望を伝えられない状況にある場合は、これに従ってもらうことになる。障害のあるすべての人には、事前計画に参加する権利があり、他の者との平等を基礎として、その機会が与えられなければならない。締約国は、さまざまな形の事前の計画の仕組みの選択肢を、多様な選好に合わせて提供することができるが、すべての選択肢は非差別的でなければならない。事前計画のプロセスを完了することを求められた場合、個別に支援が提供されなければならない。事前の指示が効力を持つようになる(及び効力を失う)時点は、障害当事者によって決定され、指示の本文に記載されなければならず、当事者の意思決定能力が不足しているという評価に基づいて決定されてはならない。

18.提供される支援の種類と程度は、障害のある人の多様性のために、人によって著しく異なる。これは、条約の一般原則の1つとして、「差異の尊重、並びに人間の多様性の一環及び人類の一員としての障害のある人の受容」を定めた第3条(d)と一致している。個人の自律と障害のある人の意思決定能力は、危機的状況下を含め、常に尊重されなければならない。

19.障害のある人の中には、第12条第2項にある、他の者との平等を基礎とした法的能力の権利の承認のみを追求し、第12条第3項に規定されている支援を受ける権利の行使を希望しない者もいる。

第12条第4項

20.第12条第4項は、法的能力の行使を支援するシステムになくてはならない保護措置の概要を説明している。第12条第4項は、第12条の他の部分及び条約全体と併せて理解されなければならない。それは締約国に対し、法的能力行使のための適切かつ効果的な保護措置を創設することを義務付けている。これらの保護措置のおもな目的は、個人の権利、意思及び選好の尊重を確保することでなければならない。これを達成するために、保護措置により、他の者との平等を基礎として、濫用からの保護を提供しなければならない。

21.著しい努力がなされた後も、個人の意思と選好を決定することが実行可能ではない場合、「意思と選好の最善の解釈」が「最善の利益」の決定に取ってかわらなければならない。これにより、第12条第4項に従い、個人の権利、意思及び選好が尊重される。「最善の利益」の原則は、成人に関しては、第12条に基づく保護措置ではない。障害のある人による、他の者との平等を基礎とした法的能力の権利の享有を確保するには、「意思と選好」のパラダイムが「最善の利益」のパラダイムに取ってかわらなければならない。

22.すべての人は「不当な影響」の対象となる危険があるが、意思決定を他者の支援に依存している者の場合、これが悪化する可能性がある。不当な影響は、支援者と被支援者の相互作用の質として、恐怖、敵意、脅威、欺瞞又は改ざんの兆候が見られることを特徴とする。法的能力の行使に関する保護措置には、不当な影響からの保護を含めなければならない。しかし、この保護は、危険を冒し、間違いを犯す権利を含む、個人の権利、意思及び選好を尊重するものでもなければならない。

第12条第5項

23.第12条第5項では、締約国に対し、金融及び経済的問題に関して、障害のある人の権利を他の者との平等を基礎として確保するために、立法上、行政上、司法上及びその他の実践的な措置を含む措置をとることを義務付けている。金融及び財産への障害のある人のアクセスは、障害の医学モデルに基づき、これまで否定されてきた。障害のある人の金融問題にかかわる法的能力を否定するこのようなアプローチは、第12条第3項に従い、法的能力の行使に対する支援に置き換えられなければならない。ジェンダーが、金融と財産の分野(注1)における差別の理由として利用されてはならないように 、障害もこれに利用されてはならない。

Ⅲ.締約国の義務

24.締約国は、あらゆる種類の障害のあるすべての人の、法律の前における平等な承認の権利を尊重し、保護し、実現する義務を有する。この点に関して、締約国は、障害のある人の、法律の前における平等な承認の権利を剥奪するいかなる行動も避けなければならない。締約国は、障害のある人が法的能力の権利を含む人権を実現し、享有する能力を、非国家主体及び民間人が妨害しないようにするために、行動を起こさなければならない。法的能力の行使を支援する目的の1つは、障害のある人の自信とスキルを確立し、彼らが将来望むなら、より少ない支援でその法的能力を行使できるようにすることである。締約国は、支援を受ける人が法的能力の行使において、支援を減らしてもよいとき、あるいは支援を必要としなくなったときに、その判断が下せるように、研修を行う義務を有する。

25.すべての人が(障害や意思決定スキルにかかわらず)生まれながらに持つとされる法的能力、すなわち「普遍的な法的能力」を、全面的に認めるには、締約国は、目的又は効果において障害に基づく差別となる法的能力の否定を廃止しなければならない。(注2)

26.障害者権利委員会は、第12条に関する締約国の最初の報告の総括所見において、関係締約国は「後見人制度及び信託制度を許可する法律を見直し、代理人による意思決定制度を、個人の自律、意思及び選好を尊重した支援付き意思決定に置き換える法律と政策を開発する行動を起こす」必要がある、と繰り返し述べてきた。

27.代理人による意思決定制度は、全権後見人、裁判所による禁治産宣告、限定後見人など、多種多様な形態をとり得る。しかし、これらの制度には、ある共通の特徴がある。すなわち、これらは以下のシステムとして定義できる。(i)個人の法的能力は、たとえそれが1つの決定にのみかかわりのある法的能力であっても、排除される。(ii)当事者以外の者が代理意思決定者を任命できる。しかも、当事者の意思に反してこれを行うことができる。(iii)代理意思決定者によるいかなる決定も、当事者の意思と選好ではなく、客観的に見てその「最善の利益」となると思われることに基づいて行われる。

28.代理人による意思決定制度を支援付き意思決定に置き換えるという締約国の義務では、代理人による意思決定制度の廃止と、支援付き意思決定による代替策の開発の両方が義務付けられている。代理人による意思決定制度を維持しながら支援付き意思決定システムを開発しても、条約第12条の順守には十分ではない。

29.支援付き意思決定制度は、個人の意志と選好に第一義的重要性を与え、人権規範を尊重するさまざまな支援の選択肢から成る。それは、自律に関する権利(法的能力の権利、法律の前における平等な承認の権利、居所を選ぶ権利など)を含むすべての権利と、虐待及び不適切な扱いからの自由に関する権利(生命に対する権利、身体的なインテグリティを尊重される権利など)を保護するものでなければならない。さらに、支援付き意思決定システムは、障害のある人の生活を過剰に規制するものであってはならない。支援付き意思決定制度は、多様な形態をとる可能性があり、それらすべてに、条約第12条の順守を確保するための特定の重要な規定が盛り込まれなければならない。それには、以下が含まれる。
 (a) 支援付き意思決定は、すべての人が利用可能でなければならない。個人の支援ニーズのレベル(特にニーズが高い場合)が、意思決定の支援を受ける上での障壁となってはならない。
 (b) 法的能力の行使におけるあらゆる形式の支援(より集約的な形式の支援を含む。)は、客観的に見て個人の最善の利益と認識されることではなく、個人の意志と選好に基づいて行われなければならない。
 (c) 個人のコミュニケーション形態は、たとえそのコミュニケーションが従来にないものであっても、あるいは、ほとんどの人に理解されないものであっても、意思決定の支援を受ける上での障壁となってはならない。
 (d) 個人によって正式に選ばれた支援者の法的承認が利用可能であり、かつ、これを利用する機会が与えられなければならず、国は、特に孤立しており、地域社会で自然に発生する支援へのアクセスを持たない可能性がある人々のために、支援の創出を促進する義務を有する。これには、第三者が支援者の身元を確認する仕組みと、支援者が当事者の意志と選好に基づいた行動をしていないと第三者が考える場合、支援者の行動に対して第三者が異議を申し立てられる仕組みを含めなければならない。
 (e) 条約第12条第3項に定められている、締約国は必要とする支援に「アクセスすることができるようにするための」措置をとらなければならないという要件に従うため、締約国は、障害のある人がわずかな料金で、あるいは無料で、支援を利用でき、財源不足が法的能力の行使における支援にアクセスする上での障壁とならないことを確保しなければならない。
 (f) 意思決定の支援は、障害のある人の他の基本的権利、特に、投票する権利、婚姻をし(あるいは市民パートナーシップを確立し)、家族を形成する権利、性と生殖の権利、親の権利、親密な関係と医学的治療に関して同意する権利、自由の権利を制限する正当な理由として、利用されてはならない。
 (g) 人は、いかなる時点でも、支援を拒否し、支援関係を終了し、あるいは変更する権利を持つものとする。
 (h) 法的能力と、法的能力の行使における支援にかかわるあらゆるプロセスについて、保護措置が設けられなければならない。保護措置の目標は、個人の意志と選好の尊重を確保することである。
 (i) 法的能力の行使における支援の提供は、意思決定能力の評価に左右されるべきではない。法的能力の行使における支援の提供では、支援のニーズに関する新しい非差別的な指標が必要とされている。

30.法律の前における平等の権利は、市民的及び政治的権利に関する国際規約に根ざし、市民的及び政治的権利として長年認められてきた。市民的及び政治的権利は、条約批准の瞬間に付随するもので、締約国はこれらの権利を直ちに実現するための措置をとる必要がある。しかるに、第12条に定められている権利は、批准の瞬間に適用され、即時の実現の対象となる。第12条(3)にある、法的能力の行使のための支援に対するアクセスを提供するという締約国の義務は、法律の前における平等な承認に向けた市民的及び政治的権利の実現に必要な締約国の義務なのである。漸進的実現(第4条第2項)は、第12条には適用されない。締約国は、批准時に、第12条にある権利の実現に向けた措置をとることを、ただちに始めなければならない。これらの措置は、慎重な検討の上、十分に計画されたものでなければならず、障害のある人及びその団体と協議し、その有意義な参加を得なければならない。

Ⅳ.条約の他の規定との関係

31.法的能力の承認は、障害者権利条約に定められている他の多くの人権の享有と、切っても切れない関係がある。これらの人権には、司法へのアクセス(第13条)、精神保健施設への強制的な監禁からの自由の権利と、精神保健治療を強制的に受けさせられることがない権利(第14条)、身体的及び精神的なインテグリティを尊重される権利(第17条)、移動の自由及び国籍の権利(第18条)、どこで誰と生活するかを選択する権利(第19条)、表現の自由の権利(第21条)、婚姻をし、家族を形成する権利(第23条)、医学的治療に同意する権利(第25条)、投票し、選挙に立候補する権利(第29条)が含まれるが、これらに限定されない。法律の前に人として認められなければ、これらの権利と、条約で定められている他の多くの権利を主張し、行使し、強化する能力は、著しく低下する。

第5条:平等及び非差別

32.法の前における平等な承認を達成するためには、法的能力が差別的に否定されてはならない。条約第5条は、法律の前及び下におけるすべての人の平等と、法律による平等な保護を受ける権利を保障している。また、障害に基づくあらゆる差別を明確に禁止している。障害に基づく差別は、条約第2条に「障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする目的又は効果を有するものをいう」と定義されている。障害のある人の法律の前における平等な承認の権利を妨げる目的又は効果を有する、法的能力の否定は、条約第5条及び第12条の侵害である。実際には、国は、破産や刑事上の有罪判決などの特定の状況を理由に、個人の法的能力を制限することができる。しかし、法律の前における平等な承認と差別からの自由の権利は、国が法的能力を否定する場合、すべての人に対して同じ基準に基づいて行わなければならないということを義務付けるものである。法的能力の否定は、ジェンダー、人種又は障害などの個人的な特性に基づいて行われてはならず、また、そのような特性を持つ人々に対し、異なった扱いをする目的や効果を有するものであってはならない。

33.法的能力の承認における差別からの自由は、条約第3条(a)に正式に記されている原則に基づき、個人の自律を回復し、人間としての尊厳を尊重するものである。自分自身で選択をする自由には、多くの場合、法的能力が必要となる。自立と自律には、個人の決定を法的に尊重してもらうための力が伴う。意思決定における支援と合理的配慮のニーズが、個人の法的能力を疑問視することに利用されてはならない。差異の尊重と、人間の多様性の一環及び人類の一員としての障害のある人の受容(第3条(d))は、同化主義に基づく法的能力の付与とは相いれない。

34.非差別には、法的能力の行使において合理的配慮(第5条第3項)を受ける権利が含まれる。合理的配慮は、条約第2条で、「障害のある人が他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保するための必要かつ適切な変更及び調整であって、特定の場合に必要とされるものであり、かつ、不釣合いな又は過重な負担を課さないもの」と定義されている。法的能力の行使において合理的配慮を受ける権利は、法的能力の行使において支援を受ける権利とは別であり、これを補完するものである。締約国は、障害のある人が法的能力を行使できるよう、不釣り合いな又は過剰な負担ではない限り、変更や調整を行う義務がある。そのような変更や調整には、裁判所、銀行、社会福祉事務所、投票所などの生活に不可欠な建物へのアクセス、法的効力を有する決定に関するアクセシブルな情報、パーソナルアシスタンスが含められるが、これらに限定されない。法的能力の行使において支援を受ける権利は、不釣り合いな又は過重な負担の主張によって制限されてはならない。国は、法的能力の行使における支援へのアクセスを提供する、明白な義務を有する。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
基本的に障害者の権利を擁護するための条約なので、大筋では賛成なのですが、問題が無いわけではありません。今後それを指摘してみたいと思います。


 成年後見人選任の当否と後見開始の審判に対する即時抗告

後見開始の審判に対しては不服申し立てをすることができますが、後見人選任の審判については不服申し立てをすることはできません。

後見開始の審判に対する不服の申し立ての条文
 (家事事件手続法)
第百二十三条  次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第一号にあっては、申立人を除く。)は、即時抗告をすることができる。
一  後見開始の審判 民法第七条 及び任意後見契約法第十条第二項 に規定する者
(以下略)

後見人の専任が裁判所の職権・専権事項である条文
(民法)
(成年後見人の選任)
第843条 1.家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
2.成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。
3.成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により、又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。
4.成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。

成年後見の開始は必ず申し立てによって始まります。
ですから、後見開始の審判は、不服申立の制度があるのです。
それと同時にされる成年後見人選任の審判は裁判所の職権、つまり専権事項ということになり、誰を後見人にするかについて、不服を申立てる制度はありません。


被後見人の選挙権の行使

ずいぶんご無沙汰してしまいました。

涼しげなかも

夏の参議院選から、被後見人の選挙権が回復し、大阪司法書士会でも指針を出したりして、

話題にはなっていました。

結局、私が就任ている成年後見事件の被後見人さんのうち、実際に選挙権を行使したのはお一人だけでした。

それでも、選挙権が回復されたのは良いことですし、まだ他にも被後見人ということで権利制限されている場合が

少なくありません。まだ出発点で改善しなければならないことはたくさんあります。

今後は、それが、問題になってくると思います。


成年後見、参院選から選挙権回復 与野党合意

47ニュースから

http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013051401002114.html

与野党は14日午後、成年後見人が付くと選挙権を失う公職選挙法の規定を削除して被後見人に一律に選挙権を付与する同法改正案について合意した。夏の参院選から選挙権を回復させる。各党の了承手続きを経て、17日にも議員立法として共同で国会提出し、月内に成立させる運びだ。

自民、公明両党が呼び掛けて国会内で開かれた協議には新党改革を除く与野党9党の実務者らが出席。野党側から「重要な公選法改正案なので質疑は必要だ」との意見が相次ぎ、委員会での審議を省くことは見送った。新党改革は事前に賛成の意向を伝えた。

-ここまで-

7月の参院選では被後見人の選挙権は復活することがほぼ決まったといってもいい情勢です。

そこで、考えないといけないのが、後見人が、被後見人の選挙権の行使をどうやって保証するかですね。
後見人が選挙制度をちゃんと熟知している必要があります。


季節外れの紫陽花

早咲き品種なのでしょうか

今朝というには、少し遅めの時間にうちのわんこ、まめ柴犬そら君と散歩していると、道すがらある家の壁際に紫陽花が咲いていました。季節はずれなのでしょうが、太陽の光を浴びて白く咲く大きな毬のような花を見つけることができてなにか得した気分で、気持ちよく散歩の時間を過ごしことができました。
紫陽花の花言葉を調べて見ると「移り気」、「元気な女性」、「高慢」、「自慢家」など、様々です。確かに大輪の花は、元気で美しい女性の象徴のようでもあり、梅雨のうっとしい時期に大輪の色鮮やかな蒼や紫の花をいくつも咲かせている様は、人の羨望を集め、近寄りがたい高貴なものの象徴して、あながち「高慢」という言葉も的外れではないのかもしれません。
桜が散るとはなみずきの季節ですね

満開です

まだ眠たい?


成年後見人の弁護士「3900万円」ラーメン代も経費だ!!

東京弁護士会の副会長まで務めた弁護士が、成年後見人制度を悪用して依頼者の財産3900万円を着服していたことが露見した。「とくダネ!」はこの松原厚弁護士を直撃したが、ごまかしと開き直りの「あきれた反論」が返ってきた。

選任の裁判所も手が回らずノーチェック

松原は千葉に住む女性の成人後見人になっていたが、「3900万円を着服しましたね」と問い詰められると、少し言い淀んで「いや、着服したのは1400万円だけ。残りの2500万円は必要経費だ」と悪あがきをはじめた。スタッフが「それだけの大金を何に使ったのか」とたたみかけると、「自宅のローン返済や家具などの調度品を購入するため。また、必要経費は彼女の所に行くのに1回の交通費が5、6万円はかかる。往復の途中ではラーメンなどを食べることもある」と呆れた説明だった。さらに、「必要経費には、私が彼女のために使った時間に対する費用補填も含まれる。長期にわたって彼女のために使っているわけだから、これは当然だ」とうそぶいた。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00243450.html

どうなちゃっているんでしょうかね
流石にこれはひどい
でもテレビで堂々とインタビュー受けているところを見ると
この先生にも成年後見人が必要なのかもしれません。


ただのソラ(豆しば)散歩の風景

本日は、朝のなんてことはないうちのワンコとの散歩の風景を!今日は雲一つない青空でそんな時の散歩は心も澄みわたる感じで、気持ちいいですね

いつもの散歩スポットで



桜もまだ満開状態をキープ

満開❀

個人的には鼻炎もピークを過ぎた感じです。
4月は個人の周辺環境がガラリと変わる事が多い季節でもあり、なんら変わりのない平常の風景をブログにアップしようと思ったのでした

振り返るもカメラ嫌いなソラ


成年後見の財産、管理不備で処分 弁護士の名誉教授

日本経済新聞WEB版から
「 死刑囚の実父の成年後見人を務めていた際、財産管理に不備があったとして、第二東京弁護士会は27日までに、菊田幸一弁護士(78)を業務停止2カ月の懲戒処分にしたと発表した。菊田氏は明治大の名誉教授で、死刑や刑事施設の問題に詳しいことで知られている。

 同会によると、2007年2月に被後見人が死亡し、財産を精算したが、家裁への報告と実際の金額に200万円の差が生じた。同会は、専用の口座を設けずに現金のまま管理していたことから「重大な過失があった」と判断した。

 菊田氏は取材に「事務所として管理上のミスはあったが財産を紛失したわけではない」と話している。遺族である死刑囚が200万円の返還を求めて提訴したが、既に和解し返還済みだという。

 菊田氏はこの死刑囚の再審請求に携わっていたが、数年前に「再審に対する見解の相違があった」として辞任。死刑囚が懲戒請求していた。〔共同〕」

 結局刑事事件の費用に対するトラブルが根底にあったのではと推測します。微妙な事件だという印象です。先生ちゃんと事務処理をしていれば、業務停止2ヶ月という、重い懲戒にはならなかったように思うのですが。
被後見人死亡後の事務はセンシティブでやっぱり気をつけにといけませんね。


成年後見監督人の責任

産経新聞電子版から
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130315/trl13031514340004-n1.htm
「 知的障害がある奈良県の女性(59)の預貯金を成年後見人の親族に横領されたのは、後見監督人だった弁護士や家裁が注意を怠ったためだとして、女性が元監督人の弁護士と国に約4500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、大阪地裁堺支部であった。大藪和男裁判長は「選任から3年以上、何も調査せず監督義務を怠った」と判断し、弁護士に約4100万円の支払いを命じた。国への請求は棄却した。

 後見監督人は後見人が適切に活動しているか否かをチェックする役割がある。後見人による着服事件が相次ぐ中、後見監督人の賠償責任が認められるのは異例。

 判決によると、奈良家裁葛城支部は平成17年3月、弁護士を後見監督人に選任。20年9月、当時後見人だった親族の男性らが女性の預貯金から計約7500万円を着服したことが発覚した。弁護士は家裁が必要な調査をしていると誤認し、選任後の3年半、女性の財産状況を調査していなかった。

 女性の現在の後見人の北岡秀晃弁護士は「家裁も後見監督人に定期的に報告を求めるべきだった。国の責任が認められず納得できない。控訴も検討したい」と話した。」

 私もふくめ、リーガルサポートの会員司法書士も後見監督人には、相当数の事件に監督人として選任されています。
たしかに放置していた監督人の責任は免れないでしょが、国の責任が認められないのは、納得がいかないのは私も同感です。
 通常監督人は後見人から定期的に報告を求めますし、監督人は裁判所に一定期間ごとに、裁判所に監督業務の結果を報告するのが通常です。
それが3年間なんの報告もなかったのですから、裁判所も定期報告を求めてしかるべきであったと思うのですが