7月2012

おしゃれな喫茶店でサンチャイルド君発見!

 昨日、喫茶店で会務の打ち合わせをしたのですが、そこで私の公式hp
http://sada-office.jp
カバー映像でも使用している、南茨木駅の巨大オブジェクト「サンチャイルド」君
を「百花」というJR茨木駅付近の趣のある喫茶店で発見しました

いろんなところにミニチャイルド君がいるんだ!
と新しい発見でした。

遺言執行②遺言で指定できる事柄


遺言で指定できる事項は、実は全て法律で規定されており、それ以外の事項が記載されていても、それは付言事項といって、法律上は拘束力がなく遺言者の希望を述べたに過ぎない事項とされています。以下、遺言で指定できる事項を、解説させていただきます。

(1)絶対的に遺言執行者が必要な遺言事項
①認知(781条2項 認知は、遺言によっても、することができる。):身分上に関する事項  成人の子、死亡した子の直系卑属が成人の場合は本人の承諾
         胎児の認知 母の承諾  
         承諾なければ執行不能
(戸籍法64)  遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から十日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、(略)その届出をしなければならない。

②推定相続人の廃除(取消)(892~894条):相続に関する遺言事項
推定相続人廃除申立書」を提出→調停(不調の場合は審判)
 (戸籍法97)同法63条準用 、裁判が確定した日から十日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない(893条は遺言執行者が届け出ることを定めている)。
廃除の理由がない場合でも、遺言の全趣旨から廃除意思が読み取れる場合は廃除の申立するべき
③一般財団法人設立の意思表示
 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律152
  定款作成し署名押印→公証人の認証(同155)
 財産拠出の履行(同157)

(2)執行行為は必要だが遺言執行者の選任が任意的な遺言事項(相続人も執行できる)

①遺贈

②信託の設定(信託法3条2)

③祭祀承継者の指定(民897)

④生命保険受取人の指定・変更(保険法44,73)

(3)遺言執行が不要な遺言事項

①未成年者後見人・未成年者後見監督人の指定(839,848)
 遺言死亡と同時に、遺言で指定された者が就任し、指定をされた未成年後見人が、その就職の日から十日以内に遺言書を添付して届出(戸籍法81)
  遺言によってのみさだめることができる
②相続分の指定・指定の委託(902)
  遺言によってのみさだめることができる
③特別受益の持戻しの免除(903)
相続人甲にはすでに生前500万円を独立のための生計の資本として贈与したところ、  
甲の努力にもかかわらず経営不振のため相続分の算定に当たっては、贈与はなかったものとして相続財産に参入せず、相続分から控除しない
④分割の方法の指定・指定の委託・5年以内の遺産分割の禁止(908)
  遺言によってのみさだめることができる
⑤共同相続人間の担保責任の指定(914)
  遺言によってのみさだめることができる
⑥遺留分減殺方法の指定(1034)
遺贈したもののうちAに対する遺贈から先に減殺する
⑦遺言執行者の指定・指定の委託(1006)
  遺言によってのみさだめることができる
⑧遺言の取り消し(1022)

以上です、結構難しいですね!

遺言執行①執行業務の顕在化


「遺言執行の実務」というテーマで、大阪司法書士会とリーガルサポート大阪支部の共催の研修会の講師を仰せつかり、 先週の7月5日(木)になんとか無事こなして(自分で勝手にそう思い込んでいるだけかも?)先週一週間を終えたと、胸をなでおろして、まったりと日曜日の休日を満喫しているところです。
 軽いノリで「講師お願いできませんか?」とある方から尋ねられ、私も遺言執行はそれなりに経験があったので、二つ返事でOKしたのです。が!
しかし、その後、過去の自分の経験した遺言執行の資料を見ながら振り返り、また、書籍や最判をあたっているいるうちに安請け合いしたことを少し後悔してしまいました。結構解決されていない論点が目白押しだったのです。
 今回は、その中でも比較的はっきりしている論点をご紹介します。
「A不動産を相続人甲に相続させる」というがある場合の、遺言執行の必要性については、下記の最判が基準となり、遺言執行行為は必要ないとされています。
最二小判平成3年4月19日民集45.4.477
特定の遺産を相続人に「相続させる」遺言書の意味
「相続させる」趣旨の遺言は、正に同条にいう遺産の分割の方法を定めた遺言であり、他の共同相続人も右の遺言に拘束され、これと異なる遺産分割の協議、さらには審判もなし得ないのであるから、このような遺言にあっては、遺言者の意思に合致するものとして、遺産の一部である当該遺産を当該相続人に帰属させる遺産の一部の分割がなされたのと同様の遺産の承継関係を生ぜしめるものであり、当該遺言において相続による承継を当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継されるものと解すべきである」
ですから、相続人は他の相続人の協力も必要なく、この種の遺言書を添付して、単独で相続を原因とする所有権転登記ができるわけです。
では、この種の遺言に執行者を専任しておくメリットはないのか?という点については、平成11年12月16日民集 第53巻9号1989頁
で、最高裁はこう述べています。
「特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる趣旨の遺言がされた場合において、他の相続人が相続開始後に当該不動産につき被相続人から自己への所有権移転登記を経由しているときは、遺言執行者は、右所有権移転登記の抹消登記手続のほか、甲への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めることができる。」
遺言書に記載されていることと相違する登記がなされた場合は、遺言執行者が定められていれば、遺言書に記載された遺言者の意思を実現させるべく、遺言執行者はその義務を負うことになります。これを一般的に遺言執行の業務の顕在化と言われています。