遺言執行①執行業務の顕在化


「遺言執行の実務」というテーマで、大阪司法書士会とリーガルサポート大阪支部の共催の研修会の講師を仰せつかり、 先週の7月5日(木)になんとか無事こなして(自分で勝手にそう思い込んでいるだけかも?)先週一週間を終えたと、胸をなでおろして、まったりと日曜日の休日を満喫しているところです。
 軽いノリで「講師お願いできませんか?」とある方から尋ねられ、私も遺言執行はそれなりに経験があったので、二つ返事でOKしたのです。が!
しかし、その後、過去の自分の経験した遺言執行の資料を見ながら振り返り、また、書籍や最判をあたっているいるうちに安請け合いしたことを少し後悔してしまいました。結構解決されていない論点が目白押しだったのです。
 今回は、その中でも比較的はっきりしている論点をご紹介します。
「A不動産を相続人甲に相続させる」というがある場合の、遺言執行の必要性については、下記の最判が基準となり、遺言執行行為は必要ないとされています。
最二小判平成3年4月19日民集45.4.477
特定の遺産を相続人に「相続させる」遺言書の意味
「相続させる」趣旨の遺言は、正に同条にいう遺産の分割の方法を定めた遺言であり、他の共同相続人も右の遺言に拘束され、これと異なる遺産分割の協議、さらには審判もなし得ないのであるから、このような遺言にあっては、遺言者の意思に合致するものとして、遺産の一部である当該遺産を当該相続人に帰属させる遺産の一部の分割がなされたのと同様の遺産の承継関係を生ぜしめるものであり、当該遺言において相続による承継を当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継されるものと解すべきである」
ですから、相続人は他の相続人の協力も必要なく、この種の遺言書を添付して、単独で相続を原因とする所有権転登記ができるわけです。
では、この種の遺言に執行者を専任しておくメリットはないのか?という点については、平成11年12月16日民集 第53巻9号1989頁
で、最高裁はこう述べています。
「特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる趣旨の遺言がされた場合において、他の相続人が相続開始後に当該不動産につき被相続人から自己への所有権移転登記を経由しているときは、遺言執行者は、右所有権移転登記の抹消登記手続のほか、甲への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めることができる。」
遺言書に記載されていることと相違する登記がなされた場合は、遺言執行者が定められていれば、遺言書に記載された遺言者の意思を実現させるべく、遺言執行者はその義務を負うことになります。これを一般的に遺言執行の業務の顕在化と言われています。

公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート総会IN広島


 本日は表題の第14回総会に出席し、紛糾することも無く無事終了し、これから懇親会に向かいます。
現在の会員数は5982人、約6000名です。成年後見人を輩出する団体としては、世界1位ということになっています。
 また、会員の受託件数は2万件を超えています。家庭裁判所にリーガルサポートから提出されている後見人等候補者名簿登載者は4100名で、単純に割ると名簿登載者1人当たり約5件受任している計算です。
 当初設立時の会員が3100名だったそうで、14年かけて倍増し、7年前から専門職後見人としても、トップランナーになっています。
 本日は初代理事長が、設立前からの最高裁とのかかわり、家庭裁判所からなぜリーガルサポートが信頼されているのかについてのお話があり、身の引き締まる思いで、がんばらねば!と初心の気持ちを思い起こさせていただく良い機会になりました。明日は、死後事務のシンポジウムに参加します。
 

懇親会開始前の様子


各国のビール:父の日の贈り物

と言うものの、実際は近くにマニアック&おしゃれな酒屋が自宅近くに出来たので、妻が買ってきてくれました。

左からベルギー,ドイツ、オーストラリア、ハワイ


本日はハワイのKONA BREWING CO.のBIG WAVEをいただきました。

ハワイらしくブルーのラベル


ビッグウェーブゴールデンエール
という日本名がついてます。
その名のとおり、典型的な表面発酵ビール=ALE系のフルーティーな苦味の少ないビールです。
ファインアロマホップも使用されているのでフルーティーで風味が良く、大変に結構なお味です。
1本目から大当り!美味しいです。
(2本目に続く)

社会福祉士会三島支部&リーガルサポート北摂ブロック交流会IN茨木

 昨日は大阪社会福祉士会三島支部の会員のみなさんと、リーガルサポート大阪支部北摂ブロックの会員との交流会に参加してきました。一応私もリーガルサポート発足時からの会員なので高齢者、障害者の施設についての知識もそれなりにはあると思っていましが、まだまだです。「救護施設」という施設がありそこの生活支援員の方とお話する機会がありました。
日本に180ぐらいしかないそうで、生活保護法に基づく基づく施設で、入所者は生活保護の受給者だそうです。
 高齢者から、障がい者、90歳代から20歳代までの色んな境遇の方が200人入所しているそうです。ただ、生活保護を受給して貰わないと、生きてゆけないということは、共通しているそうです。複合総合施設といった感じです
なかには、まれに自立をめざして、一人暮らしを始める人もいるそうですが、そう方のフォローもしているそうです。本当は成年後見人にサポートしてもらうのがベストなのだが、生活保護受給者なのでハードルが高いと仰っておられました。
 法テラスや、成年後見人の報酬を手当する基金もあるので、リーガルサポートに相談してくださいとお答えしました。
地道に世の中のセーフティーネットを支えている方がたくさんいることを知る良い機会になりました。

久々の完全OFFの日曜日(わんこの様子ほか)

豆しば「そら」


本日は久々に仕事、会務完全OFF!
朝は、ゆっくり犬の散歩→昼ご飯用意
その後昼一番の息子の高校サッカー部の試合観戦し、
帰宅してきました。
今日はうちのワンコ豆しば「そら」の本日のベストショットを披露します。

散歩の前は家中駆け巡るのです!


ちなみに息子の試合はあえなく惜敗?
セレッソユース戦でした。近くの西成区役所はちょっと前までこんなに立派じゃなかったのに、すいごいなぁ!
とびっくりしてしまいました。

土曜の昼まで、自宅 昼から仕事ダー


 今日は自宅の電話工事やらで、一人自宅にいました。
妻は息子の学校行事、子供3人は学校の体育会系のクラブ
 子供が大きくなって、少しずつ親から自立していくのは、喜ばしいことでもあるのですが、
フェイスブック等で、小さな子どもと触れ合っている記事や写真を拝見すると、少し寂しいと思うときもあります。
昼からは相談予約もあり、仕事や会務が残っているのでこれから出勤してガンバります!

今年ジューンベリーの実も小鳥にプレゼントということになりそうです(/ω\)。

給食のない夏休み、体重の減る子がいる(子供の貧困白書)

新聞等の報道によると
居所不明児童生徒、小学生で855人、中学生で336人だそうです。
やはり、貧困と無関係でないでしょう
もちろん、その中には母子支援施設(母子寮)に緊急保護されたり、いろんな形で手が差し伸べられている人も少なからずいるでしょう。
しかし、子どもの貧困白書を読むと、問題は深刻です

母子で、車上生活しながら、小学校に通っていた子供や、足立区の、夏休みなると体重の減る子供のことなどが掲載されて、心が痛みます。
貧困の負の連鎖や、若者についても示唆に富む内容となっています。
私も、成年後見人の業務をとおして、子供の貧困と負の連鎖について、目の当たりにすことがあります。
 教育者、法律職、福祉職、医療関係者は、個々の案件に対処療法的に手を差しのべることは出来るでしょうが、根本的に解決しなければならならない義務を背負っているのは、政治家だと思います。議員のみなさん、よろしくお願いします。

本日は日本晴れ!しかし大阪司法書士会総会出席

気持ちいいですね


今日は、朝から爽やかな日本晴れ!
豆柴そらとの散歩も久々のロングウォーク

実は長距離の散歩は苦手


もう紫陽花もほころびかけています。

しかし今日は大阪司法書士会総会が昼から開催されるので、それに出席して一日は終わります。
ちょっと、残念!

目からうろこ本

埼玉弁護士会民暴対策委員会編


この本はすごいです!
今まで、仮処分の書籍は何冊も見てきましたし、購入もしてきました。
でもこの書籍は、全て実例に基づいて、執筆されており、仮処分後の本案の提起、
間接強制の申立、事実到来の執行分付与についても、詳細な解説がされており、
目からうろこ本となっています。
 中でも驚いたのは、日弁連事務局に執拗なまでの嫌がらせをした一個人に対し、
架電、面接交渉禁止の仮処分申立を、日弁連が実際に行った実例が詳細に紹介されています。組織犯罪ではなく、一個人でこんなチャレンジャーがいること自体にも脅かされました。隣接法律職や企業のコンプラインス関連部署の方にとっても、大変参考になるものと思われます。
 

未成年後見人複数選任OK(民法改正4月1日施行)


 昨年6月に民法の親権喪失制度、未成年後見制度の改正が行われ(平成二十三年六月三日法律第六十一号) 、今月4月1日に施行されました。
 今までは未成年後見人は1人でなければならず、法人は就任することはできませんでした。
しかし、新法施行後は、複数選任もOKで、法人も就任することができるようになりました。
 従前は、未成年後見人は原則親等の近い親族のみが、原則未成年後見人の候補者と考得られていた訳です。
親族以外が就任するのは例外中の例外だったのですが、今後は候補者の選択肢が大幅に増えたことになります。
また、複数選任を前提に財産管理のみを行う未成年後見人も想定されています(857条の2)。
 こうなってくると、成年後見分野でトップランナーである司法書士も、未成年者後見人制度と密接にかかわってくるようになるものと考えられます。

以下条文を確認しておきます。

「旧民法842条
未成年後見人は、一人でなければならない。」

この規定は削除され

新しく民法840条に2項以下が追加されました。
------新法------
(未成年後見人の選任)
第八百四十条  前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
2  未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
3  未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。
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さらに857条の2が新設されました。
------新法------
(未成年後見人が数人ある場合の権限の行使等)
第八百五十七条の二  未成年後見人が数人あるときは、共同してその権限を行使する。
2  未成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、その一部の者について、財産に関する権限のみを行使すべきことを定めることができる。
3  未成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、財産に関する権限について、各未成年後見人が単独で又は数人の未成年後見人が事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。
4  家庭裁判所は、職権で、前二項の規定による定めを取り消すことができる。
5  未成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
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